4.2. Debian ミラーサイトからのファイルのダウンロード

もっとも近い (そしておそらくもっとも速い) ミラーサイトを探すには、 Debian ミラーサイト一覧 を参照してください。

Debian ミラーサイトからファイルをダウンロードするとき、 バイナリ(binary) モードでファイルをダウンロードするよう確認してください。 テキスト (text) モードや自動選択モードではだめです。 ローカルの「サブミラー」を作るには、 ミラーサイトにあるようなディレクトリ構造を複製することが大切です。 実際には、すべてのインストール用ファイルを フロッピーで準備する必要はありません。 でもフロッピーで準備しておけば、 ファイルが必要になったときに見つけるのは簡単になります。 ローカルのディレクトリ構造は、 installer-m68k の下から始めるといいでしょう。 例えば:

current/images/subarchitecture/netboot/initrd.gz

この階層下の全ファイルをダウンロードする必要はありません。 あなたに必要なファイルだけでいいのです (どれが必要かは読み進めればわかります)。 ディレクトリ名はミラーサイトのものと同じにし、 ファイルを各々の適切なディレクトリの中に入れておきましょう。

あなたのマシンが、ダウンロードしたファイルを自動的に 伸長・復号するように設定されている場合は、 ダウンロード時にはこの機能を無効にする必要があります。 伸長はインストーラが必要なときに行います。 いまのシステムで伸長するのは、ディスク容量と時間の無駄です。 さらに、元の圧縮されたファイルが伸長するプログラムによって削除されてしまうと、 インストーラが必要とするときにそのファイルがない、ということにもなります。

この話は、特に Macintosh に該当します。 .bin ファイルは MacBinary と解釈されます。 復号プログラムが変換できないと言って騒ぐことになるでしょう。

4.2.1. インストールオプション

m68k (VME 以外) のインストール用システムファイル (rescue.bin, linux.bin, root.bin, drivers.tgz) は、 まとめて 1 つの tarball になっています。 基本システムのインストール用ファイル basedebs.tar も必要です。

イーサネット接続が動作するコンピュータがあり、 イーサネットカードがインストールカーネルに組み込まれている形式のものなら、 必要なのはインストールシステムの tarball だけです。

動作するネットワーク接続のないシステムにインストールする場合や、 イーサネットではなく (モデムを使った) PPP でネットワーク接続する場合は、 インストールを始める前に basedebs.tar をダウンロードする必要があります。

4.2.2. 正しいインストールセットの選択

インストール用ファイルにはカーネルイメージが含まれます。 カーネルイメージには、さまざまな サブアーキテクチャ 向けのものがあります。 それぞれのサブアーキテクチャは、異なるハードウェアをサポートします。 各サブアーキテクチャ用カーネルの設定ファイルは、それぞれのディレクトリに kernel-config という名前で置かれています。 Motorola 680x0 には以下のサブアーキテクチャが用意されています。

Motorola 680x0 用のインストールカーネルは 1 つしかありません。 このカーネルはすべてのシステムにインストールするために 充分な機能が含まれています。 特定のハードウェア用にカスタマイズされているわけではありませんので、 インストールが完了したら交換するといいでしょう。 特に、このカーネルでは SMP をサポートしていません。

各フレーバー用のカーネル設定ファイルは、それぞれのディレクトリに config.gz という名前で置かれています。

4.2.3. インストール用ファイルのありか

Amiga, Atari, 68k Mac のインストール用システムファイルは、 1 つの tarball にまとめられています。 項4.2.3.1. 「AmigaOS のインストールファイル」, 項4.2.3.2. 「Atari TOS のインストールファイル」, 項4.2.3.3. 「68k MacOS のインストールファイル」 のいずれかから 適切な tarball をダウンロードしてください。 VME マシンだけは、別々の rescue, root, kernel, driver 各ファイルが必要です。

ブートイメージ
    root イメージまたは tarball
      カーネルバイナリ
        ドライバイメージまたは tarball

          ブートイメージには、圧縮された Linux ブートカーネルが入っています。 ブートイメージは (フロッピーにデータを入れた場合) フロッピーディスクからの起動や Linux カーネルのマシンへのインストールに使われます。 カーネルバイナリ vmlinuz は非圧縮のバイナリカーネルです。 これはインストーラを ハードディスク、usb スティック、ネットワーク、CD-ROMから起動したときに使われます。 フロッピーからインストーラを起動したときは必要ありません。

          フロッピーイメージからフロッピーディスクを適切に作成するにあたって 重要な情報が 項4.3. 「ディスクイメージからのフロッピーの作成」 にありますので、参照してください。

          root フロッピーのイメージ (root.img) には、 インストーラを起動したあとにメモリに読み込まれる RAM ディスクファイルシステムが圧縮されて含まれています。

          周辺機器のドライバは、複数のフロッピーイメージとして、 あるいは 1 つの tarball (drivers.tgz) としてダウンロードできます。 インストーラシステムは、 インストール中にドライバファイルにアクセスする必要があります。 ハードディスクのパーティションや、 接続されている別のコンピュータに対して インストーラがアクセスできるなら (後述)、 tarball のほうが扱いやすいでしょう。 フロッピーイメージファイルは、フロッピーからドライバをインストール しなければいけないときにだけ必要になります。

          カーネルやドライバにフロッピーを使わない場合は、 ファイルのダウンロードの際に、 ダウンロードしたファイルを 置く ファイルシステムの種類にも注意する必要があります。 インストーラはいくつかのファイルシステム (FAT, HFS, ext2fs, Minix) を読むことができます。*nix のファイルシステムにダウンロードする時には、 アーカイブからできるだけ大きなファイルを選んでください。

          インストールの途中で、 Debian をインストールしようとしているパーティションの内容は消去されます。 ダウンロードしたファイルは、システムをインストールする予定の パーティションとは別のところに置く必要があります。

          4.2.3.1. AmigaOS のインストールファイル

          1. .../current/amigainstall.tar.gz だけをダウンロードしてください。 前述の rescue, kernel, driver ファイルではありません。

          2. 少なくとも 25MB の空き領域のあるパーティションを用意して、 .../current/amigainstall.tar.gz を展開してください。 展開するディレクトリは debian という名前にするのがいいでしょう。 .../current/amigainstall.tar.gzamiga というサブディレクトリを作ります。

          3. debian ディレクトリを作ったパーティションの、 Linux からの呼び名を書き留めておいてください。 Linux におけるパーティションの呼び方については 項A.4. 「Linux におけるデバイス名」 を参照してください。

          4.2.3.2. Atari TOS のインストールファイル

          1. 前述の rescue, kernel, driver 各ファイルではなく、 .../current/atariinstall.tar.gz だけをダウンロードしてください。

          2. 少なくとも 25MB の空き領域のあるパーティションを用意して、 .../current/amigainstall.tar.gz を展開してください。 展開するディレクトリは debian という名前にするのがいいでしょう。

          3. 展開後には atari というサブディレクトリができます。 このディレクトリにあるファイルは、名前を変更しないでください。

          4. debian ディレクトリを作ったパーティションの、 Linux からの呼び名を書き留めておいてください。 Linux におけるパーティションの呼び方については 項A.4. 「Linux におけるデバイス名」 を参照してください。

          4.2.3.3. 68k MacOS のインストールファイル

          1. 前述の rescue, kernel, driver 各ファイルではなく、 .../current/macinstall.tar.gz だけをダウンロードしてください。

          2. 少なくとも 25MB の空き領域のあるパーティションを用意して、 .../current/macinstall.tar.gz を展開してください。 展開するディレクトリは debian という名前にするのがいいでしょう。 アーカイブを展開するには Stuffit Expander (バージョン 5.5 以降) か MacGZip を使ってください。

          3. 展開後には mac というサブディレクトリができます。 このディレクトリにあるファイルは、名前を変更しないでください。 伸長プログラムに drivers.tgz を伸長させないようにしてください。

          4. debian ディレクトリを作ったパーティションの、 Linux からの呼び名を書き留めておいてください。 Linux におけるパーティションの呼び方については 項A.4. 「Linux におけるデバイス名」 を参照してください。